「足底筋膜炎」とその治療に効力を発揮する「体外衝撃波」について
- 2025年3月31日
- スタッフブログ
皆さま、こんにちは!
おかだ整形外科スポーツ・リハビリクリニック理学療法士の佐藤叶望です。
今回は「足底腱膜炎」とその治療に効力を発揮する「体外衝撃波治療」についてお話します。
足底腱膜炎とは?
足底腱膜炎は、足の裏にある「足底腱膜」に炎症が生じることで痛みを引き起こす疾患です。足底腱膜はかかとから足の指の付け根まで伸びる厚い腱組織で、歩行やランニング時に足のアーチを支える重要な役割を果たしています。特に、かかとの内側や土踏まず付近に痛みを感じることが多く、朝起きたときの一歩目や長時間の立ち仕事・歩行の後に症状が悪化しやすいのが特徴です。
足底腱膜炎の主な原因として
・過度な運動や負荷(ランニングやジャンプ動作の多いスポーツ)
・長時間の立ち仕事や歩行
・加齢による足底腱膜の柔軟性低下
・足に合わない靴の使用(クッション性の低い靴、サイズの合わない靴)
・扁平足やハイアーチ(足の構造的な問題)
このような原因が挙げられます。
足底筋膜炎の主な症状として
・朝の一歩目が特に痛む
・長時間の歩行や立ち仕事の後に痛みが増す
・かかとの内側や土踏まずにズキズキした痛みがある
・安静にすると痛みが和らぐが、動き始めると再発する
・足のアーチ部分が張ったような感覚がある
という症状が現れます。
今回は当クリニックで行っている治療方法をご紹介します。
①安静と負担軽減
足に負担をかける動作を控え、無理な運動を避けます。また、痛みが強い場合は内服薬や外用薬、アイシングなどで炎症を抑えます。
②適切な靴の選択
アーチをサポートするインソールを義肢装具士などと相談しながら、お1人おひとりに合わせて作成します。
③理学療法によるストレッチ指導とマッサージ
足底腱膜やふくらはぎのストレッチを指導させていただき、足底腱膜の柔軟性を高めることで疼痛の軽減や再発予防の指導を行います。
④物理療法
疼痛部位に対して、「超音波治療器」や「体外衝撃波治療器」を使用して疼痛の軽減を図ります。
それでは、ここから当クリニックでも使用している体外衝撃波治療についてご説明します。
体外衝撃波治療とは
体外衝撃波治療(Extracorporeal Shock Wave Therapy, ESWT)は、衝撃波を体の外から患部に当てることで痛みを和らげたり、組織の回復を促したりする治療法です。もともとは尿路結石の破砕に使われていましたが、近年では足底腱膜炎やテニス肘、アキレス腱炎などの慢性的な痛みに対する治療としても注目されています。
治療の原理
コンプレッサーで発生させた空気を解放させて、ピストンが衝撃体にぶつかることで圧力波を生み出しています。圧力波による刺激は、痛みを発生している末梢神経をマヒさせて痛みを取り除きます。また組織を刺激して細胞の再構築を促すことにより「組織の治癒」を促進するという原理になっています。
体外衝撃波治療の仕組みとして
・衝撃波が患部にあたることで細胞が刺激され、自己修復が促される
・血流が改善し、痛みを引き起こす物質が減少する
・神経の興奮を抑え、痛みの感覚を和らげる
これらの作用により、炎症や痛みの改善が期待できます。
どんな症状に効果があるのか?
体外衝撃波治療は、特に慢性的な痛みに効果があるとされています。
足底腱膜炎の他にも、テニス肘(上腕骨外側上顆炎)、アキレス腱炎、肩の石灰沈着性腱板炎、膝蓋腱炎(ジャンパー膝)などの疾患にも適応しています。
治療の流れ
治療に要する時間は5~10分程度です。
治療の際は、痛みを感じることもありますが、衝撃波を当てているうちに徐々に痛みは軽減し、終了時にはほとんど痛みはなくなります。組織が再生するまでに1週間程度の期間が必要になるので、治療部位を休ませる必要があります。治療回数は、患者様それぞれの疼痛の程度によって変わりますが、4~6回で終了となる方が多いです。
自費診療として1回5000円ほどの治療している施設もありますが、当クリニックではリハビリの際に治療機器の一つとして取り入れていますので、別途費用などはいただいておりませんので安心して治療いただけます。
今回は、足底腱膜炎と体外衝撃波治療について説明させていただきました。もしあてはまる症状があれば、当クリニックの理学療法と物理療法をかけ合わせた治療で、確実に早く治癒を促すことができますのでお気軽にご相談ください!