手根管症候群について理解を深めよう!!
- 2024年7月11日
- スタッフブログ
皆こんにちは!
おかだ整形外科スポーツリハビリクリニック理学療法士の樋口陸人です。
今回は「手根管症候群」についてお話しします。
聞きなじみの無い病名ですが、一緒に理解を深めていきましょう。
手根管症候群とは?
手根管症候群は主に手の使いすぎによって起こると言われており、親指、人差し指、中指、薬指の痺れ、感覚低下が自覚症状として現れます。
ではまず、「手根管」とはなんなのでしょうか?
手根骨と強靭な屈筋支帯で囲まれたトンネルです。
その手根管内を9本の屈筋腱と共に正中神経が走行します。
引用:「手根管症候群」|日本整形外科学会 症状・病気をしらべる (joa.or.jp)
この部位で手根管内圧(手関節屈曲)が上昇し、正中神経が圧迫され絞扼性神経障害を生じます。
正中神経は親指から薬指の親指側半分までの掌側の感覚、母指球などを主に支配しているとされています。
手根管症候群の発症は女性に多く、妊娠期間や閉経後に起こることからホルモンバランスとの関連も考えられています。
主な症状は、寝ている時の痛みや朝起きてから痺れが強い、つまみ動作が行いにくくなるなどがあります。握力の低下や指をスムーズに動かすことも困難になり、日常生活に支障をきたす場合が多いです。
では、どのように治療すれば良いのでしょうか。
症状が軽い場合は痛み止めの薬や手根管内へのブロック注射を使い保存療法を行います。
しかし、保存療法で経過が良好でない場合や、発症から1~2年経過し痛みや痺れの症状が強く出現し筋肉の萎縮が見られる場合は手術療法を行います。
手術後は理学療法によるリハビリテーションが非常に重要になってきます。リハビリを行わなければ、痛みや痺れの改善はあっても握力がなかなか回復しない、指が思うように動かないなどの症状は残ってしまう場合が多いです。その為、筋力訓練、ストレッチ、指の可動域訓練を行い回復を図ります。また、指は緻密な動作で必要になってくるので自主訓練をしっかり行うことが大切です。
日常生活では、手首になるべく負担をかけないように過ごす事が重要になります。
・手首の曲げ伸ばしが多い動作
・重いものを頻繁に持つ作業
・手指を多く使用する動作
特にこれらの動作は手根管症候群の症状を悪化させる可能性があるため、極力行わないように気をつけましょう。
どうしても使わないと行けない場合もあると思います。
その際は装具を使用する事で少しでも症状の悪化を防ぐ事ができます。
手根管症候群は日常生活での使い方が大きく影響してきます。手指使いすぎに普段から注意し、適度な休息を取りましょう。痛みや痺れを放っておくと症状の改善に時間がかかる場合があります。我慢をせずに早期に対処することが大切になってきます。
今回は手根管症候群について説明させて頂きました。もし当てはまる症状があれば、当クリニックでは日帰りでの院長が考案した内視鏡による手根管症候群の手術も行っていますので、ぜひ相談してみてはいかがでしょうか。小さい傷で痛みも少しと好評です。
皆さんの症状改善の為に私たちハンドセラピストも一緒に頑張ります。
次回は、セルフチェックやトレーニング、ストレッチ方法を具体的にお伝え致します。楽しみにお待ちください。