
ひざのラジオ波治療(保険診療)
ひざのラジオ波治療(保険診療)
クーリーフによるラジオ波治療は、痛みを感じる神経(感覚神経)に対して、ラジオ波と呼ばれる電磁波を流し、感覚神経を部分的に焼灼(しょうしゃく:組織を焼いて破壊する治療法)し、痛みを軽減する治療です。
当院での治療実績(〜2025年4月末日)
患者様のご年齢:62〜92歳
治療数:53件
具体的な治療の流れ
①患者さんには仰向けでベッド上に楽な姿勢で寝ていただきます。
②院長がエコーを見ながら電極をあてる位置をマーキングします。
③電極をあてる部分に局所麻酔をします。
④電極を1箇所につき2分30秒あてて、ラジオ波を流します。
全ての神経に電極をあて終わると終了です。当院では両膝に対して30分〜40分ほどで終了します。
⑤診察室で痛みが軽減しているかの確認を行います:歩行していただいたり、椅子から立ち・座りを繰り返していただきます。
*日帰りで行える治療です!
*人工膝関節置換術をすすめられるくらい「ひざの状態がよくない」方で、手術を「受けられない方」・「受けたくない方」におすすめの治療です!
*手術療法ではありませんので、「対象とならない方」は少ない治療です。
変形性ひざ関節症による痛みが改善されることが期待されます。
海外で行われた試験では、治療後6か月時点で、約74.1%の患者様が治療前よりも痛みを感じる程度が減ったという声がありました。
患者さん自身による痛みの評価です。最大の痛みを10、痛みなしを0としています。
クーリーフ(グラフ内のcoolief)では、Baseline(治療前)と比較して、6、12、18、24ヶ月後に痛みが半減していることがわかります。
ひざの機能のグラフです。高いほど、ひざの機能がよくなっていることを意味しています。
クーリーフ(グラフ内のcoolief)では、Baseline(治療前)と比較して、6、12、18、24ヶ月後に膝の機能は改善しています。
いずれも米国での先行研究の結果です。米国はレントゲンを見ながらおおよその位置を検討つけて電極をあてる方法ですが、日本では基本的にエコーを見ながら神経の走行を少しでも把握しながら電極をあてようという方法で治療が行われています。
日本の方法がより正確に神経を捉えることができるのではないかと個人的には考えていますが、今後の研究報告が待たれるところです。
2025年5月7日のNHK きょうの健康「変形性ひざ関節症 新常識 「新しい“切らない治療”とサプリメント その評価は?」 https://www.nhk.jp/p/kyonokenko/ts/83KL2X1J32/episode/te/89KGLQ3RPP/
で放送されます。
院長も昨年の10月26日 BSテレビ東京「教えて!ドクター 家族の健康」という番組で「選択肢が広がった ひざの痛みの治療法」というタイトルでラジオ波治療と再生医療について解説しましたが、いずれにしても正しい知識を身につけて、正しい治療法を選択することが重要です。
https://www.bs-tvtokyo.co.jp/kazokunokenkou/669.html
病状・治療法について正しい知識を得られるサポートもスタッフ全員で行っていきたいと思っておりますのでお気軽にお問い合わせください。
変形性膝関節症に対するラジオ波治療の意義とは?
変形性膝関節症に対するラジオ波治療は、神経を焼き切って痛みを脳に伝えないようにする治療であり、変形性膝関節症を根本から治す治療ではありません。
従って、ラジオ波により痛みが軽減したとしても膝関節自体が治ったわけではありませんので、引き続き膝関節の状態を良くする保存療法は継続的に行った方が良いとされています。
しかし、痛みが強く膝の運動療法などがままならなかった患者さんが「先生、膝の運動がしやすくなったよ」とおっしゃることがよくあります。
ラジオ波治療により膝関節の痛みが軽減することだけでは、膝関節の治療の意味があるのかどうか疑問に思っていた時期もありました。
このように運動療法がご自分でできるようになった患者さんのお声を聞くにつれ、痛みをとって根本的な膝関節の治療もしやすくなることもラジオ波治療のメリットの一つと言えそうです。
これまでの試験では、以下のような事象が発生しています。
稀ではありますが、上記のような不利益が生じる可能性があります。
痛みが0になるわけではなく、痛みの軽減が期待されます。その結果、痛み止めの薬や注射の回数は減らせる効果があります。ただし、変形した膝自体が治るわけではないので、全ての患者さんで手術が避けられるわけではありません。
Coolief(クーリーフ)によるラジオ波治療は、保険適応となっています。保険や年齢によりご負担額は異なりますので、来院時におたずね下さい。
お受けできる可能性があります。まずは主治医にご相談ください。
治療後これまで感じていた痛みがなくなる、大幅に改善するといった効果を感じることがありますが、これは局所麻酔の効果です。Coolief(クーリーフ)による疼痛軽減効果は徐々にでてきます。早い方ですと2日〜1週間程度で効果を感じ始める方がいらっしゃいます(個人差があります)。