手の日帰り手術とは?
- 2025年2月28日
- スタッフブログ
こんにちは、リハビリテーション部の原卓也です。
今回は、昨年の夏頃に『手根管症候群について理解を深めよう!!』とブログ紹介させていただいた第2弾の『手根管症候群の日帰り手術』についてお話したいと思います。
当院の手術実績
開院して1年10ヶ月が経過し、これまで多くの手や指、肘の日帰り手術が行われてきました。その中でもっとも多かった手術は、手根管症候群の鏡視下手根管開放術でした。現在の症例数は156例となっており、約4日に1人はこの手術を受けているという状況です。当院の手術は全て保険適応となっており、「日帰り」で行うため高額な入院費もかかりません。私が担当させていただいた術後の患者さんからは「これまで長年悩んできた手の痺れがなくなった。」「手術と聞いて心配だったけど、思っていたより痛くなかった。」「傷跡も小さく、ほとんど目立たなくなった。」などのお声を耳にします。
鏡視下での手術
当院の手根管症候群の手術は、院長が考案した『鏡視下手根管開放術』を採用しています。この術式は、大事な神経や筋肉を損傷させるリスクが非常に少なく、内視鏡を使って手術を行うため、従来の手根管開放術と比較して傷跡がとても小さいことが特徴です。左側は従来の手術痕に対して右側は鏡視下での手術痕になります。傷跡がとても小さいことから、術後の痛みも少なく、早期の社会復帰が期待できます。院長が考案したこの方法は合併症が少なく良好な成績のため、全国のいくつかの大学病院でも取り入れられています。
神経伝達速度検査
手根管症候群が疑われた場合は、神経伝達速度検査を行います。この検査は、皮膚上に電極を貼り、腕の正中神経と尺骨神経に電気刺激をします。そして、誘発された電位を記録し、伝達速度、筋の収縮する振幅などを測定することによって、「正確な診断」「病気の進行度の把握」が可能となります。当院では総合病院でも使用されている高度な診断機器を導入しています。また、当院では精密知覚機能検査も行い、どの指にどのように、どの程度知覚異常がでているのかも検査します。
手術から完治までの流れ
では、大まかな実際の日帰り手術の流れを紹介します。
①バイタルチェックして点滴を行います。
②皮膚上にマーキングを行い切開する範囲を決めます。
③患部に局所麻酔を行います。
④メスで約1.5cmの切開を行います。
⑤関節鏡を挿入して神経の圧迫の原因を取り除きます。
⑥閉創縫合しガーゼ保護を行います。
⑦ご自分で歩いてご帰宅。
⑧翌日に術創部の確認、処置を行います。
⑨リハビリを行い、術後のはれを取り除き、不便となっている指の動きを回復させます。
⑩手術から1週間後に抜糸予定となります。
おおよその手術の流れは以上になります。鏡視下手根管開放術の手術時間は、約10分程度です。詳しい手術内の説明やイラストは、院長が執筆した医師向けの教科書が待合室に置いてありますので、ご参照下さい。
まとめ
今回は、手の日帰り手術についてざっくりと紹介させて頂きました。小指以外の指先にジンジンするような痺れがあったり、ボタンが止めにくい、落ちたものをつまんで拾いにくい方は手根管症候群の可能性が高いです。また、これまで手の痺れが首からきている痺れだと診断されていた方でも、検査をしたら手根管症候群だったという症例も少なくありません。
是非、手の痺れ(ジンジン・ビリビリ)や手の動作(ボタンをかける・小銭が掴みにくい)などで悩まれている方は、一度当院を受診して下さい。
お一人おひとりにあった治療を院長から提案させていただきます。そして手術となった場合も院長と担当セラピストが綿密に連携をとりより早い回復に努めさせていただきます。
皆様の症状改善の為に、スタッフ一同全力でサポートさせて頂きますので、ぜひお気軽にご相談下さい。